千葉県市川市で運営しているフリースクールが、9月1日に本開校の日を迎えました。
子どもたちには前もってこう伝えていました。「学校に行ってもいいし、フリースクールの方に来てもいい。自分で好きな方を選ぶといいよ」、と。
今日は始業式で午前中だけということもあり、2人とも学校を選びました。そのあとはお友達に誘っていただいて、そのまま友達の家へ遊びに行きました。
自分たちで決めて、自分たちで選んだ一日になりました。
フリースクールを開いた日に、子どもたちが別の場所を選ぶ。少し可笑しな話に見えるかもしれませんが、私は、子どもたちがとても良い選択をしてくれたなと思っています。
なぜそう思えたのか、書いてみます。
選べる先が増えると、何が変わるのか
理由は、子どもたちが「選んだ」からです。行かされたのでも、なんとなく流れたのでもなく、自分で決めて行き先を決めた。
行き先がひとつしかないとき、子どもの前にあるのは「行くか、どこにも行かないか」という二択です。
行かないという判断はできます。でもそれは、別の場所を選んだということではありません。行かなかった、というだけです。
行き先がふたつ、三つと増えると、そこで初めて「どこに行くか」を比べられるようになります。今日はこっちにしよう、明日は別のところにしよう。自分の状態に合わせて選ぶことができます。
この違いは小さく見えて、子どもにとっては大きいのではないでしょうか。
私自身の経験から
長男が学校に行けなくなり始めた頃、私はどう声をかけるかをずいぶん考えました。どんな言葉なら届くだろうか。どう伝えれば安心してもらえるだろうか。
声のかけ方は、やはり大切です。同じことを伝えるにしても、言い方ひとつで受け取られ方はまったく変わります。
ただ、当時いちばん困っていたのは、学校に行かないと決めたあとのことでした。日中に過ごせる場所が、家のほかに思い当たらない。声のかけ方をどれだけ工夫しても、そこから先の選択肢が出てこないのです。
このとき私は、関わり方と場所の両方が必要なのだと考えるようになりました。どちらか一方では足りません。
リレーションシップ教育が向き合っていること
ようへんでは、子どもを変えようとするのではなく、まわりとの関係のほうに働きかけていきます。
選べる先を増やすというのは、その働きかけのひとつです。子どもの意欲を引き上げようとするのではなく、子どもが置かれている状況の側を変えていく。すると、動くかどうかは子ども自身が決められるようになります。
そしてもうひとつが、日々の関わり方です。どんな言葉をかけるか、どんなタイミングで聞くか、答えを待てるか。ここは声のかけ方そのものの話になります。
場所と関わり方。この両方が揃ってはじめて、子どもは自分で選べるようになっていくのだと考えております。
ご家庭でできること
朝、なかなか動き出せないお子さんに「学校、行くの? 行かないの?」と尋ねると、そこには二択しかありません。
「今日はどうしようか」と一緒に考える形にすると、少し余地が生まれます。何時に起きるか、午前だけ行ってみるか、今日は休んで明日また考えるか。
選べるものが増えるほど、子どもは自分で決める経験を重ねていきます。その積み重ねが、少しずつ自分の居場所を見つけていく力になっていくのではないでしょうか。
私たちが子どもに手渡せるのは、正しい答えではありません。選べるという状態そのものです。
これは一度やって終わりではなく、日々の関わりの中で少しずつ積み重ねていくものだと考えております。
ようへんでは、親御さん向けの伴走プログラムと、お子さん向けの個別プログラムをご用意しています。オンラインで全国どこからでもご利用いただけます。
「どう関わればいいのかわからない」という段階からのご相談も歓迎しています。無料相談・無料体験を受け付けていますので、お気軽にお申し込みいただけたらと。

